「文章修行」 水上勉 瀬戸内寂聴 共著 光文社
分かりやすくて上品な文章を書きたいと常から思っているのだけれど才能がなくて情けない。
水上勉と瀬戸内寂聴の「文章修行」という対談集を見つけてヒントになればと思って購入した。
残念ながら良い文章を書くためのハウツー本では全くなく(あたりまえか!)、お二人の小説を書くにあたっての心情や、お二人が出会った先輩たちから賜った知恵などのようなことを、こもごも楽しく時には丁々発止で語り合うといった本でした。
大正時代から昭和初期の文豪達(谷崎潤一郎、川端康成、里見とん、小林秀雄、宇野浩二、今東光、円地文子、宇野千代等など個性的な小説家がいっぱい)と付き合う中で培ったことや、色事に理解があって詳しい水上と瀬戸内、仏門から逃げ出した水上と仏門に入った瀬戸内とが仏教についての思いの絡み合いや小説を書くときの心構えのようなことなど、とても面白く心に響くものがたくさんあった。
文章修行として参考になったのは、水上の「文章にはリズムがないといけませんね~」とか瀬戸内の「自分がものを書くときには美文にしようと思ったりして、どうしても気取るじゃありませんか。でも、気取ってはだめだということがわかりましねえ。だから、文章というのは、難しいことを知っていても、やさしい言葉で相手にわかるように書かねばいけないんです。」というところかな。
もっとも私は難しいことは知らないのでその点は易しくしか書けないというのは救われます。が、奥を知っていて易しく書いているのか、表面だけの知識しかないのかはすぐにバレるでしょうね。文章修行の道のりは険しいです。
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