風の歌を聴け

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「風の歌を聴け」 村上春樹著
「私の本棚」でも紹介した、「海辺のカフカ」に感動した私は、村上春樹の処女作「風の歌を聞け」を読まなきゃいけないという気持ちになっていました。
図書館にも近くの本屋さんにもなくやっとKさんから借りることが出来ました。

この欄で度々言っているように、小説の舞台を知っている土地か否かで面白さが随分違うのですが、「風の歌を聴け」の舞台は、村上春樹が育った場所、我が家のすぐ隣の街でそれも楽しみでした。

著者の僕はアメリカの作家デレク・ハートフィールドに出会ったことから作家の道を選んだけれど、文章の書き方に苦悩しているというプロローグから本文が始まります。

時は1970年、東京の大学で生物学を学ぶ僕が、夏休みに帰省して出会った人々、出来事からなる話で、8月8日から始まり26日に終わる物語。

あらすじは取り立てて言うほどのものはないのですが、私が読んだ中では最新の「ねじまき鳥クロニクル」にまで繋がる著者の小説に対するモチベーションの要因がそこかしこに感じられ、とても興味深く面白く読みました。

例えば、鼠という名の友人、出会った小指のない女の子、ジュークボックスのあるバー、火星の底なし井戸などです。村上春樹の本には特に井戸がよく出てきます。

エピローグは再度デレク・ハートフィールドに触れ、村上春樹の小説家としての始動の意気込みを感じ取ることが出来ました。

それから30年。世界中の人々から賞賛を受ける作家となった村上春樹。

単純にすごいなあと思いました。はやく「1Q84」を読まなくっちゃ。


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