2010年2月アーカイブ

sirohata.jpg「白旗の少女」 比嘉富子 著 講談社青い鳥文庫
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1945年4月、太平洋戦争末期の沖縄本島の南部。この日本最大の激戦地で、逃亡の途中、兄弟たちとはぐれたわずか7歳の少女が、たった一人で戦場をさまようことになった。しかし、偶然めぐりあった身体の不自由な老夫婦の献身で、白旗を持って1人でアメリカ軍に投降し、奇跡的に一命をとりとめた。この少女の戦場での体験をおった愛と感動の記録。(表紙の説明文より。小学校上級から。)
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表紙にも載せられている「白旗の少女」の写真は、1987年(昭和62年)「白旗の少女はわたしです」という見出しで新聞にとりあげられたので、私も眼にして驚いて記事を読んだことを覚えています。

今回、沖縄に旅行をした友人から勧められて読みましたが、本当に心から感動し胸が痛くなりました。この少女は私よりほんの3?4歳年上で、私が京都で戦争のことなど全く知らされず(私は2歳だからしかたない)のんびり生活している時に、沖縄ではこんな体験をされていたのです。
それと、少女を助けたおじいさんとおばあさんのもう言葉では言い表せない大きな愛!
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「いいかね、外に出たら、その白旗がだれからでも良く見えるように高く上げるんだ。まっすぐにだ。いいかね、高く、まっすぐにだよ」と力強くいいました。これが、私が聞いたおじいさんの最後の言葉でした。
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外に出るというのは、隠れていた洞窟から出るということで、白旗は、両手両足をもぎ取られたおじいさんが身につけていたふんどしで、目がみえなくなっているおばあさんが作ってくれたのです。

読みながら涙涙です。
小学生上級からとなっていますが、日本人みんな読まねばならない本です。

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「臨死体験」(上下) 立花隆 著
著者の立花隆氏自身の臨死体験記録と早とちりしてアマゾンから取り寄せた。
実際は著者みずから臨死体験した人に会い取材して集めた臨死体験談で、その体験が科学的に証明されるかどうかを一つづつ丹念に追及した記録であった。

人は肉体と精神(霊魂)とから出来たもので、死ぬと肉体は滅びるが精神(霊魂)は永遠に滅びないということが、臨死体験した人からの証言からわかる記録と言えるかもしれない。

ただ、臨死して遭遇した体験は、あくまでもその人の体験談であり、その体験を科学的に証明するのは難しい。それを著者は、ものすごい執念で、構想、取材、執筆に5年をついやして科学的に証明しようと頑張った渾身の著作である。

臨死体験者どうしが申し合わせをしたわけでもないのに、生死を彷徨っている時に同じ体験(とても気持ちが良く風景は美しく亡くなった人が呼んでいる等)をするというのは、科学的に証明されなくても死後の世界があるのは真実ではないかと立花氏は考える。私もそう思う。

また同時に体外離脱という、体から魂が抜け出し自分の姿を見るという体験談もたくさんある。「ベッドに横たわる自分を親戚縁者が囲み嘆いているのを、天井から見下ろしている自分」という話を、私も聞いたことがある。

とにかく、人間は死ぬと終わり!土に返って終わり!と信じている人は是非読んでみてください。
又、死ぬのは怖いと思っている人も読んで下さい。死が怖くなくなります。

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「新・がん50人の勇気」 柳田邦男 著

<迫り来る死を前に人はいかに生きるか・・・
 昭和天皇から本田美奈子まで、
 がんと向き合った作家、俳優、音楽家、学者、僧侶、企業人、
 50余名の「生と死」のかたち
最期の瞬間まで生を全うした 感動のドキュメント >・・表紙より

50余名のうち特に心が打たれた方々は 武満徹、山本七平、森瑤子、重兼芳子、米原万里、馬場のぼる、山口瞳、山本夏彦達の最期だった。

この本に取り上げられた方々は全て「たとえ世界が明日終わりであっても、私はリンゴの樹を植える(マルティン・ルッター)」という言葉をそのまま受けとり、壮絶であり同時に崇高な死を堂々と迎えられたのだと感銘を受けた。

自分の育てるリンゴに生涯こだわり、愛し、誇りを持ち、さらに良いリンゴを育てることに情熱をもって生きてこられた。そしてがんに倒れ、もうリンゴを育てられない身体になったことを悟ってからも、明日も植え続けうる体力を求めて副作用の多い抗がん剤治療を拒否し、民間療法とモルヒネによる痛み緩和を求め、延命よりリンゴを植え続ける気力保持を求めたかたが多かった。

又、宗教をもたない方も多かった。死後の世界は「無」と考え、命を神にゆだねるという考えは少なかった。中には高田真快和尚や高田好胤僧侶の宗教家や死を迎える前にカトリックの受洗をされた森瑤子さんのような方もおられたが。
無宗教のかたは、宗教を「苦しみから逃れる方便」であると考え、「神に頼ることは負け」というような宗教観を持っておられるのではないかと思った。
私は、人間の生死には宗教が欠かせないものと思っているので違和感を持った。

その点では、柳田氏は、理屈や科学では解明できないより優れたものの存在をいつも重要視して、人の生死の裏に隠された無視できない真実を書き添えられている。
「不思議な意味のある偶然」を、決して疎かに出来ないエピソードを同時に綴られている。

白血病で亡くなった兄の最期を思いおこし、膵臓がんと闘っている愛する人の姿をクロスさせながら読んで、深く考えさせられた良書であった。

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tou.jpg凍 沢木耕太郎 著
世界最高峰のエヴェレストと第6位の高さを持つチョー・オユーとの間に位置するというギャチュンカン(7953m)に挑んだ世界的クライマー山野井泰史・妙子夫妻による、壮絶な登攀記録小説(ドキュメント)です。
挑戦したのがこの二人でなければ、遭難死したに違いない過酷な登攀の記録であります。

この登攀で山野井氏は凍傷で右足の指全部と手の指6本、妙子は以前のマカルー登攀で失った指に加え左足の小指と薬指以外は両手足の指全部失いました。
夫妻はそれでもクライマーとしての人生を歩み続けることになります。

その情熱はなんなんでしょう?「どうしてそんな危険を冒して山に登るのですか?」という問いに「そこに山があるからだ」と答えるのがクライマーと昔から言われていますが、本当にそう。それと「ただよじ登るのが好きだから」ということに尽きるみたい。

ここまで好きなことには頑張ることが出来る人間がいるんだと、ただただ驚き深い感動をおぼえました。それも生きるか死ぬかの冒険を夫婦でぴったり呼吸を合わせ味わい戦えるなんて夫婦愛の極限でしょう。

沢木耕太郎氏のその見事な記述たるや、読者は登攀中ずっとその二人の傍に立ち息遣いまで感じるほどのリアルさで、はらはらドキドキ、高山による呼吸困難になるほどのものでした。

これを書くのに、沢木耕太郎氏はどれだけのインタヴューを繰り返されたのでしょうか。驚嘆するばかりであります。

ギャチュンカンはチベット側にあり彼らは車でネパールからチベットに入りそこから登攀するのですが、ネパールとチベット(中国)の国境に架かる友誼橋は、去年私は行ったのですよ!
そのアプローチからして身近に感じ、数倍楽しめました。

写真は去年訪れた友誼橋のある国境。正面はギャチュンカンではないでしょうがヒマラヤです。本には写真が載ってなくて残念。せめてこの1枚が想像の手助けになればいいかと、、。

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iruka.jpg
イルカと墜落 沢木耕太郎 著
ああ、面白かった!
今読み終わったばかりで、何がどう面白かったのか頭に文章が表れてこない。
でも早くこの面白さを本棚で紹介したい。
というので、本についている帯から文章を抜粋、、。
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乗っていたセスナ機が、ブラジル・アマゾンで不時着。事故の生々しい一部始終を綴った「墜落記」と、その序章にあたる「イルカ記」で描く旅の記録
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せっかく抜粋させてもらったけれど、本の面白さはそこには感じられない。

話の舞台はブラジルとアマゾン。沢木が冒険で求めるのはアマゾンのジャングルに住むといわれる原住人のアウレとアウラの二人。でも、道中で遭遇するセスナ機の墜落で、その目的は達せず終わる。

私はブラジルとアマゾンには行った事がないけれど、お隣のペルー、去年はアルゼンチン、何年か前には今大地震で大変なハイチの隣のドミニカ共和国に行った事があるので、場所には親近感があり、それに加えて地球の未開地にはあくなき興味をもつアウトドア派の私なので、面白くないわけがない。

セスナ機墜落で命拾いした沢木は、後遺症の背中の痛みが癒えず、その苦労までが、去年から腰痛と坐骨神経痛で悩まされた私の痛みとかさなって共感を覚えたのだった。

ああ、おもしろかった!

表紙の絵は、サンパウロの街角で買い求めた、喋り方から軽い障害のある中年の女性がマッチ箱に手描きしたもの。クリックすると大きくなります。

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